今回は「合理化」するという言葉の英語訳についてです。この言葉の意味を英訳したい時に、どんな英語を使えばいいのでしょうか。
多くの人の頭に浮かぶのが「rationalize」ではないでしょうか。ネットで調べてみても「合理化」という言葉の英語訳に「rationalize」を使うのがいいとアドバイスしている人を見かけました。これが間違いだというつもりはないのですが、それなりに注意が必要です。
というのも、そもそも日本語の「合理化」に複数の意味があるからです。まずは自分が日本語でどの「合理化」を意味しようとしているのか整理することから始めましょう。大方、以下の2つのいずれかの意味になると思います。
- 弁解や正当化のための理由づけをする
- 作業に介在する不合理を除いて能率的にする
まず、あなたが意味しようとしているのはどちらでしょうか。もし1つ目であるならば「rationalize」でOKです。特に、ある行動について「その背景には、こんな理由があるんだよ」と説明しようとする行為が「rationalize」です。
これについて、Merriam-Websterには以下のような説明があります。
to attribute (one’s actions) to rational and creditable motives without analysis of true and especially unconscious motives (日本語訳:真の動機、特に無意識の動機を分析することなく、合理的で信頼に値する動機に帰する)
上の説明で注目したいのは「真の動機、特に無意識の動機を分析することなく」の部分です。特にはっきりと分析したわけでもないのに「こういう理由があるのさ」とある意味で「決めつける」ニュアンスが感じ取れます。そのようなネガティブな意味合いが含まれている点が重要です。
続いて、2つ目の意味が「不合理を取り除いて効率化する」という意味です。こちらの意味で「合理化」という言葉を使おうとしているのであれば「rationalize」では間違いです。代わりに「streamline」を使いましょう。こちらは「流れるようなプロセス」を彷彿とさせる言葉でぴったりです。
ちなみに「streamline」は名詞として「流線形」という意味もあります。これを動詞として使うと「合理化する(ただし「能率化、効率化する」という意味)」となります。
私の仕事の経験上では、海外のIT系企業でよく「streamline」が使われているのを目にします。プロセスの効率化というのはどの企業でも課題になるもので、それが話題になるのは不思議ではありません。まさに「流れるような」効率化について話をする時には、是非とも使いたい単語です。
英語を自分のものにする応援をいたします。