今回扱う英単語は「salient」です。この単語は日本で英語学習をしていてもあまり出会わないはずです。
この単語には「顕著な、突出した、目立つ」といった意味があります。発音は | séɪliənt | ですのでカタカナで書くと「セイリアント」のようになります。
とはいえ、そんな説明だけではパッとしません。記憶にも残りません。そこでもっと深掘りしてみましょう。噛めば噛むほど味が出ます。例を使ってみるのが一番です。
私は「salient」という単語を『Organize your mind, organize your life』という書籍で見つけました。そん文脈が面白いもので、人間の脳がどのように意識を向ける対象を決めているかというものでした。
人の注意力には限りがあります。ある意味であらゆる刺激がその注意力を奪い合っている状態です。鳥の鳴き声であったり、スマホのアプリの通知であったり。その全てが情報として飛び交っています。私たち人間はその中から、どれに注意を向けるのかを意識的にまたは無意識的に選んでいます。
では、どんな種類の情報や刺激が最も注意を引きやすいか。そんな話の答えが「salient」な刺激でした。ここから、かなり「salient」の意味合いが感じ取れるのではないでしょうか。
人の注意を引きやすいのは、例えば、聞いたことのないような音であったり(知識として)それを聞いたら注意すべきだと知っているようなものであったり、鮮明な色であったりします。それらに共通していえるのが、ある意味での「突出」感です。
他の一般的で「注目するに値しない何か」との相違でもあります。そのような意味では「salient」に「それに注目するだけの価値がある」という「noteworthy」な意味合いも感じられます。こちらのRedditには「noteworthy」な部分があるというコメントが見られます。
また同じページからは、「important」と似ているものの、それとの違いとして「状況次第でその重要性が変わる」というニュアンスを感じている人がいることもわかります。
この説明も先ほどの書籍での用法とつじつまが合います。つまり、注意を向けるに値する重要性があるかどうかは「その瞬間や状況に基づき重要だといえるか」次第ということです。
ここからさらに面白い発展を検討できます。例えば、近所のカフェでおばさんが「どの保険にしようかしら」と雑談をしていたとします。そんな会話にあなたは興味を持たないかもしれません。
ではもし、一人旅でマダガスカルを訪れた時にふらっと立ち寄った超ローカルな食堂で「どの保険にしようかしら」と聞こえてきたら「え?」と驚いてあたりを見回すはずです。そんな状況では、おばさんの保険についての世間話が「salient」になり得ます。
ちなみにただ「目立つ」という意味では他にもいろいろな単語があるので、そのような意味の表現に「salient」を使うのは少し違うように思えます。例えば単純に(明らかにわかるほどに)「抜きん出て目立っている」のであれば「outstanding」を使うのがおすすめです。
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